私自身、実は幼い頃から外反母趾や扁平足がありました。

そんな自分の体の悩みがきっかけで、健康の大切さを早くから実感。

そして人を喜ばせることも好きだったので、仕事は看護師を選びました。

総合病院で働き結婚、子育てのために退職。

その後ブランクを経て、訪問看護ステーションで働き始めました。

訪問看護とは、病気を抱えた方を自宅で医療的なサポートをする仕事です。

そんな仕事に携わる中で、私が特に注意深く観察したのが足でした。

例えば糖尿病の方等は、足に小さな傷を負うだけで足を切断することがしばしばあります。

なぜなら糖尿病は、高血糖が原因で動脈硬化や血流が悪化し、傷が治りにくいからです。

私は取り返しのつかないことにならないよう、足の状態は特に注意深く見ていました。

そんな中気づいたのが、そもそもの「足の状態の悪さ」です。

例えば爪は岩のようにゴツゴツと厚く伸び、皮膚に刺さっている方が沢山おられます。

「どうしてこの状態を放っているのだろう」と驚きでした。

しかしそれらは放っておいたわけではなく、どうしようもなかったこと知ります。

ご家族も何とかしようにも、一般家庭ではすでに手の付けられない状態。

そして「どこに行ったらいいかわからない」「病院では爪の先端しか削ってもらえない」と仰います。

しかし当時の私も、知識も無ければ技術も道具もありません。

「病院で切ってもらって来てください」としか言えず、無力さに唇をかみしめることしかできませんでした。

そんな思いから、何とか私がケアを出来るようになろうと思い、足の専門知識を学ぶことにしたのです。

そうしてケアの知識と道具を手にし、少しは喜んでいただけるようになりました。

しかし「訪問看護」でできる範囲には、その制度上の限界があります。

 

足の改善を喜んでもらえたこと、またその先の可能性に夢を感じた私は、もっと喜んでいただけるフットケアを提供するために、退職しフットケアの専門店を独立開業することにしたのです。

そうやって開業し「自分の思い描いたフットケア」を実現しようと奮闘していた中、一人のお客様と出会います。

その高齢のお客様は、巻き爪や魚の目や外反母趾等を患っていて、転倒を繰り返すほど足の状態は悪化していました。

私の提供するケアで魚の目や爪は一時的に改善するものの、高齢という事もあり徐々に酷くなっていってしまいます。

そうやって転倒やそれに伴う入院を繰り返す中、ご家族の介護負担が限界で、とうとう施設入所という話にまでなってしましました。

ご家族もご本人も、自宅で過ごしたい、でも体の状態が許さない。私の力も及ばない。

独立前よりは喜んでもらえる、フットケアを提供できている手ごたえがありましたが、やはり力不足を痛感させられることに。

巻き爪や魚の目のケアに留まらず、足をもっと根本的に良くすることはできないだろうか。

この件はそう思うきっかけになりました。

そんな中、外反母趾と魚の目でお困りの他のお客様から、足がすごく楽になる歩き方がある、と教えて頂きました。

それが中島武志先生の提唱する「ゆるかかと歩き」です。

興味が湧くも、「歩き方で治ってしまうなんて本当なのだろうか」と、当初は半信半疑だったのを覚えています。

そうは思いつつも、YouTubeに挙がっている中島先生のたくさんの動画をチェックした結果、「これは本物かもしれない」と思いセミナーに参加しました。

 

そこではまずは自分自身がゆるかかと歩きを習得するのですが、私の想像をはるかに超える効果があったのです。

それはその数日前から腰痛に悩まされていたのですが、一日みっちり受講してへとへとなはずなのに、帰り道ではその腰痛はきれいに治ってしまっていたのです!

もちろん歩くの自体も楽ですし、足に負担も驚くほど感じません。

今考えると、それだけ変化するほど私の元の歩き方は悪かったようで、そのせいで外反母趾や偏平足もあったとのこと。

「この歩き方なら、魚の目や巻き爪も再発をせずに根本から改善できる!」と、道が一気に開けたのを感じました。

この私の感じたものを皆さんに伝えたい。

そして家族と一緒に自宅で最後まで過ごすことができない方を減らせれば。

私は今、そんな当たり前のようで当たり前ではない毎日を守れるよう、日々皆さんの足に向き合う毎日を過ごしています。